「白石～!！」
突然、頭上から大きな声がかかり、コウちゃんと一緒に校舎を見上げた。
4階の窓から、立花くんが顔を出している。
あの場所は、美術室だ。
また自主練してたのかな。
「早く部活来いよ!！ もうすぐ顧問が来るぞ!！」
「うん!！ 今行く～!！」
私は立花くんに向かって、口に両手を当て叫んだ。
私が答えるとすぐに顔を引っ込めた立花くん。
今行くって答えたのはいいものの、やっぱり気が進まない......。
私がため息を地面に落とすと、コウちゃんの視線を感じてハッとした。
ダメダメ！
顔に出したらダメだよ。
コウちゃんに心配させたらいけない。
部活はきちんと順調だと思わせないと。
