「「えーーー!!!!」」
私は愛美と大声をあげ、コウちゃんを見上げた。
「む、無理だよコウちゃん! 私達サッカー出来ないもん!」
「サッカーは出来ないって、サッカーも、だろ?」
〝も〟を強調して言ったコウちゃんは、肩をすくめる。
私は頬を膨らませ、目を細くしてコウちゃんを見た。
「出来ないなら練習すりゃいいじゃん。その為に練習期間があるんだから」
「そ、そうだけど」
私が言うと、愛美も不安そうに私を見ていた。
「なんとかなるだろ」
「そんな簡単に......」
口ごもりながら言ったその時、コウちゃんのお腹が小さくギュルルと鳴った。
多分私にしか聞こえていないと思うけど、聞こえていないふりをする。