私がバレーかバスケで頭を悩ませていると、突然私のお弁当箱の中にコロッケが現れた。


突然現れるなんて、誰かが魔法を使った?


なんてバカなことを思いながら、魔法使いの正体を見上げる。


「コウちゃん! どんな魔法を使ったの!?」


私が目を丸くして言うと、コウちゃんは面倒くさそうに眉を潜めた。


「はぁ? 何言ってんだよ」


「だって、急にコロッケが現れたんだもん!」


「今俺が入れたんだから当たり前だろ」


コウちゃんは、自分の弁当箱にまだ残っていたコロッケをもうひとつ、私のお弁当箱に入れる。


「カレーコロッケ。俺、もう腹いっぱいなんだわ。おまえ食えよ」


「え、でも......」