「......コウちゃん」
大声を出したつもりだったのに、カラカラの喉からは乾いた声しか出なかった。
コウちゃん......。
「莉子っ!」
「コウちゃん!」
大勢の中から私を見つけ出してくれたコウちゃんが、息を切らして走ってきた。
そして、私の側にしゃがみこむ。
「おい! 大丈夫か!?」
額に汗を滲ませたコウちゃんが私を覗き込んだ瞬間、私はコウちゃんの胸に飛び込むようにして抱きついた。
怖くて......。
誰かに支えてほしくて......。
「こ、コウちゃん......お母さんが......お母さんが......」
コウちゃんにしがみついて言う。
「知ってる。ここに向かってる途中で俺にも連絡があった」
コウちゃんの声は、とても落ち着いた声だった。
その口調で、少しずつ平常心を取り戻しつつある。
コウちゃんから体を離した私は、涙をこらえるために唾を飲み込んだ。
「莉子。おばさんは大丈夫。今眠ってるみたいだから」
「お母さん、死なないよね。コウちゃん、お母さんいなくなったりしないよね?」
「なにアホなこと言ってんだよ。んなわけねぇだろ」


