「ねぇ、コウちゃん! どうして無視する......」


「お~! 真田! おはよう!」


コウちゃんに詰め寄ろうとすると、男子に邪魔をされてしまった。


男子に笑顔で答えたコウちゃんは、足を軽く引きずりながら廊下を歩いていく。


やっぱり、おかしい。


完全に私を無視してる。


私、何かした?


合宿が終わってからは、お互い部活が忙しくて会っていないし、喧嘩するようなことはなかった。


コウちゃんは何に怒ってるの?


何か怒ってるから無視するんでしょ?


コウちゃんを追いかけるようにして教室に入ると、先ほどの男子と席に座って笑いながら話をしている。


せっかくの登校日なんだから気分よく過ごしたいのに、コウちゃんの笑顔を見ていたらムカムカしてきた。


私は大股でコウちゃんに近づき、大きな音を立ててコウちゃんの机を叩いた。


一瞬目を丸くしたコウちゃん。


コウちゃんの前で話をしていた男子は、気まずそうに私とコウちゃんを交互に見て、少しずつ離れていく。