「コウちゃん、辛い時ほど笑顔を見せるの。小さい頃からずっとそう。今日だってみんなに心配かけないように笑ってたし......」
内心、すごく泣いてるのに......。
それを知っているから、やるせなさが襲う。
「全治2カ月なんでしょ? もうすぐ試合だっていうのに......真田くんの気持ち考えたら、私......」
愛美の声が涙ぐんだ。
私はボールを片手で支えて、愛美の背中に手を回す。
その時、コウちゃんが突然立ち上がってどこかに向かった。
私はボールを愛美に渡し、「ちょっと行ってくる」と言って静かにコウちゃんのあとを追う。
自分が出来ないサッカーを見ているのが辛かったのかもしれない。
今まで無理してみんなの前で笑顔を見せていたコウちゃん。
もう、心が限界なのかも......。
私は、コウちゃんがひとりで泣かないように近くにいたいと思った。
コウちゃんにウザイって言われても、私はコウちゃんから絶対に離れない。


