む、無視したいっ。 聞こえてないフリして無視したいっ。 「はい♡どうされました?」 が、仕事上無視など出来るはずもなく、仕方なく声の主の方へ振り返る。 「あれ?ご主人様♡が抜けてるけど?どーしたのののかちゃん?」 「ああ、それは失礼いたしました。お坊ちゃま」 可愛らしい顔とは裏腹に心底性格悪そうな笑みを浮かべる佐伯に私も笑みを浮かべる。 もちろん目は笑っていない。