「前から思ってたんだけど、由乃ってそんなに必死に働かないといけないほど貧乏なの?うちの学校にも入れてるし、一人暮らしもできているのに」







ふと疑問に思ったのか佐伯が私を見つめて首を傾げる。







あぁ、確かに傍から見ればそうよね。








「うちの親も離婚しているんだけどね、元父は何か凄い金持ちだったみたいで今でも生活費とかいろいろ慰謝料みたいな感じで払ってくれてるのよ。だから正確には確かに貧乏じゃないんだけど、私は私の力でなるべく生きたいの。そして私たちを捨てた父親をいつか私の力でここから這い上がって見返してやるの」







淡々と家の事情を説明し、最後には目をギラギラと輝かせる。






金と一緒に捨ててしまった私たち家族がいつか父親を超えてやる。




そして惜しいものを手放したと後悔させてやるんだ。









「あははははっ、由乃はそう考えたんだねっ」








ここはしんみりする場面だろうに佐伯はしんみりとは真逆の反応を私に見せる。






爆笑だ。





はて?どの辺に爆笑ポイントが?




とりあえず殴ってよろしいでしょうか?