「こっち、ののかちゃん」






「へ?」








私を呼んだお客さんのところへ私は行かなければならない。




ならないのだが。







それは横から私の手を掴んだ佐伯によって阻まれた。








て!!佐伯!!








「ななな、何でしょーかっ」







佐伯に手を掴まれてあからさまに焦る私。







ドドドドドドドドッ






心臓が音を立てて暴れる。