ベル姫様と溺愛ナイト様

姫宛の手紙を読むなど畏れ多いが、姫が望むのなら読まざるをえない。

内容に目を通して、レイの目からも涙が溢れた。

ああ、女王様、ナイト様……。
幸せだった日々が、蘇る。
そして同時に悲しい日々も、蘇った。

ジェミロも、ベルを抱きしめながらこらえきれなくなったようで、泣き始めた。
暫く3人で泣いた。

涙が枯れる頃には、随分な時間が経過していた。
窓から見える色は、真っ黒から白が混ざる時間に変わっていた。

下を向いていたベルが突然、ハッとした表情を浮かべつつ顔を上げた。

「あっ……!」

小さなベルのつぶやきに、ジェミロとレイも顔を上げると、ベルが自分の両肩を抱きしめて、ふるふると小刻みに震えていた。