「ただし、ルールを作るぞ。
お前専用のな」

「今度はなんだ、女」

ムッとした表情を女店主に向け、レイは鬱陶しそうに紫の髪をかき上げた。

「そうだな……。
まずは、ベルに触れないこと。
注文以外で話しかけるのも、ナシだ。

ああ、あとは……。
水一杯とかで閉店まで粘るとか禁止な。
客としているなら、その時間中なんか頼みやがれ」

ふふん、と笑うジェミロと、オロオロと困った顔をさらすベル。
それに、ため息をつくレイ。

「今、見たろう? 私は金に困ってなどいない。
姫と一緒の空間にいれるならその条件、耐えよう」

レイは渋々と、ジェミロの条件をのんだ