ベル姫様と溺愛ナイト様


「ジェミロは本当に優しくて面倒見が良いですね。
良いお母さんになれそうですね」

思わず漏れた本音に、しまった、とシュシュは赤面し、メロゥはけけっと楽しそうに笑った。

「え? お母さん?
一応お姉さんなんだけど。
おいシュシュ、今の一言失礼じゃないか?」

あたしってそんなに老けてるか?
と、ジェミロは頬に手を添えてシュシュとメロゥを交互に見た。
それから窓に映る自分の顔をじっと眺めていた。

「肌のハリが足りないのかな……?」

メロゥが盛大に吹き出した。

「わかってねぇな、ジェミロ」

「何がだよっ!」

「い、今のは、わ、忘れて下さいっ」

カウンターが何やら賑やかだ、と、テーブル席の2人は振り向いた。