【あるところに小さな女の子がいました。
赤い頭巾をかぶった可愛い女の子でした。

「ねえ赤ずきん。
寝込んでしまったおばあちゃんのためにお見舞いに行ってきてくれる?」

「うん。いいよ!」

そうして赤ずきんはおばあちゃんの家に向かいました。

「おやお嬢ちゃん、どこかへ行くのかい?」

「おばあちゃんの家にお見舞いに行くの」

「そうかそうか!それならあそこでお花でも摘んで行ったらどうかな?おばあさんも喜ぶと思うよ」

「それもそうね!ありがとう!」

赤ずきんは途中で出会った狼の言うことを聞き、お花畑へ寄り道をしました。

対する狼はというと。

ドンドン

「あら、だあれ?」

「おばあちゃん、私よ。お見舞いに来たの」

「赤ずきんかい、入っておいで」

赤ずきんのフリをしておばあちゃんの家に入りこみ、一飲みでおばあちゃんを食べてしまいました。

コンコン

「おばあちゃん、具合はいかが?お見舞いに来たわ」

そんなことも知らない赤ずきんはお花を摘んだ後すぐにおばあちゃんの家に来ました。

「赤ずきん?入っておいで」

彼女はなんの疑いもなく扉を開けました。

「あら?おばあちゃん…いつもと違うわ」

「そうかね?」

「どうしてそんなにお耳が大きいの?」

「そりゃあ、赤ずきんの声をよく聞くためだよ」

「じゃあ、どうしてそんなにおめめが大きいの?」

「もちろん、可愛い赤ずきんの顔をよく見るためだよ」

「お口が大きいのはどうして?」

「………お前を食べるためだよ」

おばあちゃんの格好をしていた狼は飛び起きて、その大きな口をもっと大きく開けました。

赤ずきんは突然のことに大きな悲鳴をあげました。