両腕を取られ身動きを封じ込まれる。
「はいはい、大人しく一緒に来よーね」
やばい、本当にこのままじゃ…
「い、嫌!助けて…」
路地裏に連れ込まれそうになった時、後ろからものすごい勢いで走ってくる音が聞こえた。
その音が止まったかと思えば、私の腕を捕らえていた男が前に倒れる。
その状況を上手く飲み込めない他の4人。
でも私は
「鈴姉ちゃん、大丈夫?!!」
その声だけで、誰かがわかる。
…かえで君が助けに来てくれた。
「お前らよくも…!!」
男たちに向かって攻撃を続ける。
「…くたばれ!」
最後の1人がかえで君の背後を取る。
そうして男が振り上げた拳を…
掴んで後ろ手に締め上げ関節技を極める。
私だって極道の娘。
護身術は心得ている。
男たちは再び立ち上がると去っていった。

