恋はたい焼き戦争



「いやー笑って悪い。
そりゃ驚くよな!」





部長はそれでもまだ、ははっと笑って





「本当の紺野昴はこれ、なんだよ」

「そーそー、今までのは表向きの俺?ってやつだ」





いや、そんな表向きとか言われて急に人変わられても…


まだ納得はしてないけど、「鈴」って呼ばれるのも違和感だけど!



けど、それより大きい突っ込みどころ。





「シークレットカップルって何?」





私がそう言うと紺野君…改め昴は、またまたーと背中をばしばしと叩いてくる。


正直痛いんだけど…





「俺も見ちゃったんだよ、別に反対する気はないんだけどな?」





向川部長も入ってくる。





「待って待って、付き合ってないからね?」





隣のまーくんも激しく頷く。


そんな彼に昴は肩を乗せながら人差し指を横に振って





「俺たちさ、見ちゃったんだよ。
鈴と高山が同じ家に入っていくところ」





私とまーくんはお互い顔を見合わせて、あぁ…とため息をついたあとに全て話すことを決めた。



この微妙な空気の間も部長は、隠さなくて良いんだぞ?だの悪いことじゃないだの最終的には言ってほしかったな…なんて落ち込み始めた。



あのー…本当に違うよ?

付き合ってないんだよ!?