「はい、じゃあ…こんなものかな?」
一通りの案内は終わって昇降口にやってきた。
「ありがとう。何となく覚えられたと思う!」
そう言ってにこっと笑う。
靴を履き替えて帰ろうとしたところ、
「待って!俺のせいで放課後付き合ってもらったし家まで送るよ!」
私の後ろをついていこうとする紺野君。
「い、いや!鈴は俺の家の近くだからその必要はない!」
まーくんが慌てて食い止めてくれた。
かえで君も、そうだね!と合わせてくれる。
「そ…そう」
拒む私たちを少し不思議そうに見ながら正門で別れて帰った。
「なんか…変に思われちゃったかな?」
「どうだろう、大丈夫じゃないか?」
「何か言ってきたら僕が投げ飛ばすよ!」
とても頼もしい…まぁ、きっと紺野君は私みたいなのに興味ないよねー!
この時の私はこれくらいに軽くしか思っていなかった。

