恋はたい焼き戦争



「おはよー」





衣装のことは何も解決できないまま、文化祭当日。


幸か不幸か、あかりは欠席だった。





「…おい鈴」

「…あ」





昴がこっそりとあかりの分の衣装を持ってきてくれた。


クラスの子に気付かれないようこっそり。





「ほら」

「ありがとう…」





昨日、あんなことがあって…気持ちの整理もつかないまま今日になってしまって。


しかも着るのはあかりの衣装。


…モヤモヤするのは仕方がないと思う。


でも、みんなには関係ない。

私が衣装を着れないことで、迷惑をかけるわけにはいかない。





「よし、じゃあ力を合わせて無事遂行するぞ!」

「おー!!」




委員長のまーくんのかけ声でみんなにも気合が入る。


私も両手で顔を叩いた。


そうだ。頑張らなきゃいけない。