『えぇ知っていたわ。……珱と一緒に私も行ってたもの』
私がそう言うと、皆の目が一気に変わった
…先程珱に向けていた、あの目だ
「お前も裏切ってたのかよ!?」
全く、ただ倉庫に出入りしてただけなのにね?
それだけで疑われたら心外だわ
『貴方達がそう思うならそうなんじゃない?』
裏切り者にしたいならそうすればいい
どのみち珱を信じられないなら、こんな所いる価値ないもの
「白愛……珱に合わせてるとかじゃないのか?」
蓮が縋るような目をしてこちらを見て言った
…あぁ、確か蓮は私に惚れていたんだっけ
普段は地味な格好をしている珱と付き合っている私を見て、奪えると思ったのだろうなぁ
珱を幹部にして、私を姫にしたぐらいだし
でも、全然なびかないからぶりっ子の鈴木真夜を連れてきたみたい
(まだ、私に惚れてたのかしら?
だとしたらちょっと引いてしまうわ)
私がニコッと笑うとほっとしたように顔を崩した
『そんな理由ないでしょ?
私は、私の意思で珱と居たんだから』
一気に喜びから怒りに変わっていくのが分かった
「なんでっ!!なんで俺があんな奴に負けなきゃいけない?!」