白愛もそう思ったのだろうクスクス笑っている
馬鹿にされたあいつらは目を見開いた後また睨んできた
ったく、効かないって言ってるのにな。
「お前……ずっと実力隠してたのか?」
『んー隠してたって言うか、力抑えてたらそうなってたっていうか?』
(本気出したらみーんな重症になっちゃうし)
すると、涼が思い出したかのようにぽつり、と言葉をこぼす
「……抗戦の時も、倉庫内で力比べする時も、誰よりも怪我が少なかったですね」
少なかったというよりも無かったと思うんだけど、と思ったが口には出さない
『あーっと、そんな事よりもう行っていいか?息が苦しくてw』
おどけて笑う珱
しかし、その瞳は全く笑っていなかった
暗く、黒く広がる闇のような瞳をしていた
「っ!……あぁ早く出ていけ。今後一切俺達と関わるな」
他の奴らはその目を見て固まっていたが
流石は総長である
睨み返すのを忘れず、返事をした
『っそ!じゃあな………足元すくわれないよう頑張れや』
そう言って背を向け歩き出す珱
その背中からはほんの少しの哀しさが滲んでいるように見えた
白愛がそれについていこうとしたら伊月に呼び止められた
「はーちゃんは知ってたの?珱君が花鳥風月と関わりがあるって」