理事長の誠おじさんはおじいちゃんの知り合いだ。

「そういうわけだ……」

「萌花、大丈夫か!?」

「お兄ちゃん!」

突然私の後ろから抱きついてきたでかい男に、杉本先生は驚いている。

「宮野先輩!」

「おー、葵、ひさしぶりー。
ええっと……」

「……担任の杉本先生」

「ああ、初めまして。
萌花の兄の聡一郎です。
いつも萌花がお世話になってます」

「……いえ」

私に抱きついたまま、葵ちゃんのあたまをガシガシ撫でてるお兄ちゃん。
なぜか葵ちゃんは、お兄ちゃんにだけは懐いてるんだよねー。
初対面の杉本先生は完全に固まってるけど。