……誰かが、私の髪を撫でる。

「昨日、苛め過ぎちゃったかな。
ごめんね」

目を開けなきゃ、そう思うんだけど、眠くて眠くて開けられない。

「でも僕、ちゃんと返事聞きたいんだよね。
だからまた、苛めちゃうと思うけど。
……ほんとごめん」

手の主はくすくす笑ってる。

……いや、なら苛めないでください。

「ごめんね、宮野。
……大好き、だよ」

おでこにふれる、柔らかいもの。
そのままどんどん、意識はまた沈んでいき……。

目が覚めたら放課後になってた。

「萌花、大丈夫?」

「うん。
ちょっと寝たらすっきりした」