近くのビルの中を明石くんは迷わず進んでいく。
エレベーターを最上階で降りてさらに階段を上がり、出たところは……屋上。

「宮野、見て」

「きれい……!」

見下ろした先にはさっきのツリーとイルミネーション。

きらきら、きらきら。

まるで星があふれてるみたい。

「よかった、喜んでくれて」

後ろからそっと、明石くんが私を抱きしめる。

感じる体温。
耳元の吐息。

「これ。
クリスマスプレゼント」

私の手首を掴んだ明石くんの手が離れると、ブレスレットが巻かれてた。

「ありがとう。
私もクリスマスプレゼント、」

慌てて鞄を探ろうとしたら止められた。