好きな人からもらったものと違う。
お兄ちゃんのプレゼントとも違う。
なんだろ?
お守りみたいな感じ?
 
クリスマス限定のケーキを出してるカフェに連れて行ってくれた。

ケーキを食べると思い出す。
先生と過ごしてたときは、ケーキばかり食べてたこと。

「どうかした?」

「ううん、なんでもない」

きっと先生は少しでも私に食べさせるために、必死だったんだろうな。

お店を出て、また手をつないで歩く。
今度は大きなクリスマスツリー。

「きれいだね」

「宮野のほうがきれいだよ」

するり、明石くんの手が私の頬を撫でる。

「……ね。
ふたりっきりになれるところに行こうか?」

耳元で囁かれて、私は熱い顔で頷いた。