悪びれる様子もなく、そんなことを云ってのける杉本先生。
そういう開けっぴろげなところが、意外と生徒に人気。

「そうだ。
宮野、それの統計やってくんない?
そしたら俺、そのあいだ昼寝できるし。
……いいよな、うん。
じゃあ、お願い」

「えっ、ま……」

私の返事を待つことなく。
杉本先生は応接セットのソファに横になると、すぐに寝息を立て始めた。

……はぁーっ。

きっとこんなことを葵ちゃんに知られたら、お人好しすぎ、って怒られちゃうんだろーなー。

渋々先生の使ってる机で、アンケートの統計を取っていく。
まあ、クラス委員の仕事の一環で、生徒会のアンケートなんかいつも統計取ってるから、手慣れてる。
だから別に、いいんだけど。

「みやのー、……終わった?」

不意に背中から回ってきた手が、私に抱きつく。