「……と、いうか。
君は?」

「私?
萌花の大大大大親友の、大塚葵、……だけど。
あんたこそ、誰?」

私を抱きしめたまま葵ちゃんは、完全にがるるるるっ、って明石くんを威嚇してる。

……まあ、明石くんにはぜんぜん効いてないみたいだけど。

「僕は隣のクラスの、明石利光、だけど」

「なんで隣のクラスの明石が、私の萌花、泣かせてるわけ?」

「……宮野が可愛いから、だけど?」

「は?」

葵ちゃんの目がまん丸に見開かれて、瞳は完全に点になった。

……いや、たぶん私も、同じだと思う。

「可愛いだろ、宮野?
だからこう、泣くまで苛めてみたくなる、っていうか」