木部さんたちに誘われて、一緒に行くことにOKが出たあと。
明石くんにもお祭りに誘われた。
ふたりで行かない、って。
もう、木部さんたちに返事したあとだったし、それに、その、……明石くんとふたりだなんて、絶対にお兄ちゃんの許可が下りないと思って、断ってしまった。
明石くんは残念そうだったし、なんかこう、なぜかすごく悲しかったんだけど。

“向こうで会えるといいね”
 
会いたいな、明石くんと。
できれば一緒に、屋台を見て回ってみたい。
そして一緒に花火を……。

って、私、なに考えてるんだろ!?

「萌花、ひとりでなにやってるんだ?」

「えっ、なんでもないもん」

いやーん、なんか顔が熱いよー。

考えてたことを知られそうで、恥ずかしくて俯くと、お兄ちゃんはさっき外した髪飾りをまた、私の髪へと戻した。

「GPSつけといた。
まあ、俺がついてるからなんもないとは思うが、念のため」