明石くんのことを意識しないようにして次の日を過ごす。

午前中の勉強を終え、お昼がすんで一度、海に出たけれど、日焼け止めを忘れたことに気がついて、みんなと別れて葵ちゃんと宿に戻った。

あ、宿の前も砂浜だけど、海水浴場は少し離れてるんだ。

「塗ってからくればよかったんだけど。
カレー作り、熱中しちゃって」

「萌花、料理好きだもんね。
楽しみだよ、夜のカレー」

ふたりで話しながら歩く。
今日の晩ごはんはカレーなので、先に作成。
で、早めにごはんをすませて夜は肝試しの予定。

「ねーねー、海の家ってどっちー?」

突然、私たちの前に若い男の人二人組が立ちはだかった。
というか、海の家、見えてますよね……?

「あの、あそこにちょっと見えてる建物のところですけど?」

うわーっ、なんだかにやにや笑ってて感じ悪いなー。