僕とユリちゃんがはじめてまともに言葉を交わしたのは今から1年前。ちょうど秋と冬の間くらい。
それは電車の中でのこと。
その日は美化委員の仕事で花壇の整理をした帰りだった。
寒くなり、夏に咲く花が枯れたから全部抜き取って土を入れ替えるというもの。
地味に時間がかかってしまうこの作業は各クラスごとに場所を振り分けられできたところは帰っていいっていうものだった。
クラスにいる男女一人づつの2人でやれば、そこそこ早く終わるんだろうけど、あいにくその日はもう一人の美化委員である同じクラスの女の子は休み。
こんな不幸があるのかと思いながら、たいしてこの後用事があるわけでもないからゆっくり作業をして帰った。
その結果、だらだら作業をしてしまったせいで、電車は帰宅ラッシュ。
そこそこ混んでる車内に体を突っ込まなくてはならなかった。
せまい。ねむい。はやくつけ。
そんなことだけ考えて僕はずっと立ったまま目をつぶってた。
1度大きく電車が揺れて、吊り革を持つ僕に掴むところがなくて立っていただけの女の人がぶつかってくる。
そこで事件は起こってしまった。

