するどくてやわらかい




ヤマモトはめちゃくちゃで言ってるわけでもないし、ただのやっかみでもない。


めずらしく顔が真剣だから。


僕が何も言わないところを見て、ヤマモトは背を向け歩き出した。



「高梨由利って悪い奴じゃないと思うけど、見ててお前のこと好きなんかなーとか思うんだよ」


ザリザリと枯葉を蹴りながら、ヤマモトはポケットに手を突っ込んだ。


こっちを見ないのは、ヤマモトなりに気まづさを感じてるってことなんだろうか。



「おい。怒ってんのかよ」



わかってるよ。僕のこと考えて言ってくれてるってことは。でも、



「大丈夫だよ。ほんとに」


ユリちゃんって女の子は、ほんとに誤解がされやすい。




背を向けたまま顔だけこちらへ向けるヤマモト。

その顔はやっぱり気まづさを含んでいて、少しだけ笑ってしまった。



「おい!何笑ってる!」

「いやいや。笑ってないよ」

「顔がにやけてんだよ!!」

「うわ!やめろ!」



枯葉を僕に向かって蹴り上げられる。


乾燥してる枯葉は簡単に頭の高さにまで蹴り上げられ、頭に降ってきた。



「このあほ!ぼけ!ふざけてんじゃねーぞ!」


「ごめんって」

また背を向け歩き出すヤマモトを追うように歩き出す。が、


僕の歩みはぴたりと止まる。



「ヤマモトー」


「あんだよ」


「僕やっぱユリちゃんのこと待ってるわ」


言うとヤマモトの動きはぴたりと止まり、


「うおっなになになになに」


ものすごい勢いで僕につかみかかってくる。


「おおおおおい。今の話高梨さんに言うつもりじゃねーだろうな!」


「言わないってば!」


つかみかかられた手を外してヤマモトをなだめる。


「わかってるから。ヤマモトが僕のこと心配してくれてることぐらい」


「だれが心配なんかするかよ!」


「はいはい」