「やべえ。やっぱこえぇ…」
ユリちゃんと帰るつもりだった僕は、いまだに真っ青な顔したヤマモトと肩を並べて駅までの道を歩いていた。
「さっきのはヤマモトが悪いんだろ」
しかも、僕からするとユリちゃんは怒ってたわけじゃない。
ユリちゃんはそんなことでは怒らない。
僕の言ったことなんて聞いてないのか、ヤマモトはずっとユリちゃんのことをぶつぶつ言い続ける。
「やべえよめっちゃ睨まれた。そらナンパも撃退できるわな」
「だからー、ユリちゃんは睨んでるわけじゃなくて、目つきが悪いだけ。あと、ちょっと目が悪い」
「知らん!」
下を向いて落ちている枯葉をばりばりと踏みながら歩いていると、その視界に履き古してくたびれた茶色のローファーが目に入った。
「なに?近いよ」
目の前に立ってるのはもちろんヤマモト。
目の前に立つもんだから、馬鹿みたいに至近距離。
たまらず後ろへ下がってヤマモトを睨む。
「やっぱわかんねぇわ」
僕の睨みの威力はしょぼかったみたいで、ヤマモトにはまったくきいてないみたいだ。
ユリちゃんの真似でもしようかな…
「なんでお前高梨由利と付き合うようになったわけ?お前は冴えねーし、」
「おい」
「でももっとお前に合うやついるだろ?なんか、お似合いとは言えねーよ」

