伊織side


外ではセミが暑苦しく鳴いている。もう、夏に突入している。


私は身も心も疲れていた。実際、私の目の下にはくまができている。


それは彩月も同じで目の下にはくまができていた。



「彩月。今日は何時間寝た?」


部室にて昼ご飯を食べながら聞いてみた。



「2時間。伊織は?」



「フフフ。5時間だよ。」



「ちっ!負けた‥。」



普段はしない舌打ちをする彩月。私も眠たすぎてたまらない。


しかもレベルの低い会話だと感じてしまう。


そんなときに大和先輩が部室にやって来た。



「うぉ!!びっくりした!で‥電気ぐらいつけろよ‥。」


「今は節電が大事ですから。」


私は親指を立てた。


昼間でも少し、薄暗いこの部屋でお弁当を食べていたわけだが、大和先輩は本気で驚いたようだった。


そして、呆れたように大和先輩が言う。


「‥とか言って、本当はここで寝ようとか考えてたんだろう?」



大和先輩。半分正解です!


答えは電気つけるのがめんどくさかったのと部室で仮眠を取りたかったからです!


‥なーんてことは言えないので笑ってごまかすことにした。



「2人ともレポートに手こずってるみたいだな‥。大丈夫か?」


「だ‥大丈夫じゃないです‥。」


そう私たちが今、苦しめられてるもの。それは‥レポートだ。


7月の後半。鬼のようなレポートが出され、必死にやってる途中だ。


いつ終わるのか、まだまだ先が長いように感じる。



すると、また部室のドアが開き咲和先輩と柊人先輩がやって来た。


「やっほー!元気?‥て元気そうじゃないね‥。大和くん、どうしたの?」



「レポートにやられてるみたいです。‥咲和先輩はなんでそんなに元気なんですか?」



「えー私?私はレポート、3つしかなかったから。もう出したしあとはテストを受けるだけ見たいな。」


その言葉に私と彩月は反応する。


すると‥



「‥リア充め‥許さん‥。」



ボソッと彩月からおそろしい言葉が出てきた。


私は慌てて彩月の口をふさいだ。


「大和くんは、どうなの?」



幸いにも聞こえてなかったようだ。



「俺ですか?俺はあとちょっとで終わるといったところです。‥柊人先輩は‥て聞くまでもなさそうですね。」


大和先輩が苦笑しながら言っている。


「余裕。」


柊人先輩はVサインをしていた。


それが彩月の神経を逆なでしてしまい、私はおさえるので精一杯だった。


レポートのせいで彩月のキャラが崩壊していた。


神様ー!早く、いつものかわいい彩月に戻してくださいー!



「ねぇねぇ、大和くん。あなたのかわいい彩月ちゃんが暴れてるけど、なんとかしてあげたら?」


咲和先輩がニヤニヤしながら言った。


大和先輩と彩月が付き合ってることは文芸部全員が知っていた。


すると大和先輩が顔を赤くした。



「な‥なんで、お‥俺なんですか?」


「だってー、大和くん彩月の彼氏でしょう?かっこいいとこ見せなくてどうするのよ!」


隣の彩月を見ると顔をキラキラさせて大和先輩を見ていた。