保健室から移動しお昼で賑わっている食堂に入ろうとした。


食堂に入って探そうか迷った時、前からはタイミングよく、ある人がやってきた。


「あれ~伊織ちゃん。どうしたの?一緒にご飯食べない?」



「凛ちゃん。ちょっと話があるんだけどいいかな?」


そう、相手は光岡凛ちゃん。


柊人先輩の話を聞いて。もしかしたらて思った。


だから‥


「あなたは‥もしかして‥」














話を聞き、私は凛ちゃんを連れて保健室に向かった。


ちゃんと彩月が献血で倒れたという事情も話して。



保健室に行くと廊下では柊人先輩と咲和先輩が、待っていた。


2人が私と凛ちゃんの存在に気づく。


「伊織‥。その子は‥?」


咲和先輩が聞こうとしたが、私は彩月に伝えるのが先だと思った。



「すみません。後から説明しますので‥」



そう言って保健室のドアを開けた。


彩月がいるベッドのカーテンを開けると彩月が少し体を起こして大和先輩と話をしていた。


「彩月。ちょっと、いいかな‥?」


そう言って、凛ちゃんが姿をあらわすと彩月の表情が少しこわばった。


「凛?なんで、ここに?」


大和先輩は驚いているようだった。



「彩月。同じ文学部で友達の光岡凛ちゃん。凛ちゃんは‥大和先輩の‥妹、です。」



「‥‥えっ?」



彩月の小さい言葉と‥




「ええっ!!?」



廊下からは咲和先輩が聞き耳を立てていたのか大きな声が聞こえてきた。



「彩月は‥大和先輩と凛ちゃんが一緒にいるとこを見て勘違い‥したんだよね?」



「じ‥じゃあ‥その子は‥。」


彩月が凛ちゃんの方を見る。



「は‥初めまして。勘違いさせて、すみません!私と大和は兄妹以外の関係ではないので安心してください!」


凛ちゃんは申し訳なさそうに頭を下げていた。



「そ‥そうなんだ‥そうだったんだ‥」



彩月の目からは涙が溢れていた。


多分、安心したから溢れた涙だと思う。


彩月はきっと、それだけ大和先輩のことが好きだったんだ‥。


まぁ、後は‥大和先輩にまかせようか‥。



「彩月‥。ごめんな‥。」


見ると大和先輩は彩月の頭をなでながら慰めていた。



「凛ちゃん、行こっか。」


私は小声で凛ちゃんに言った。


「うん。そうだね。」


凛ちゃんもにっこり笑ってドアに向かった。