そう言って彩月は立ち去ってしまった。


私はただ雨の中、呆然とするしかなかった。



しばらく立っていると‥



「伊織?どうしたの!?ちょっと、やだ、びしょ濡れじゃない!!」




そう言って今日、部活に参加しなかった咲和先輩が傘をさしてやって来た。


その後ろには柊人先輩もいた。


「こんなところで、どうしたの!?しかも顔色悪いよ?」


「あ‥だ‥大丈夫‥です‥。」


「大丈夫じゃない。今すぐ部室に行こう。まだ大和くんいたよね。ほら、柊人も行くよ。」


そう言うと咲和先輩は私と柊人先輩をつれて部室に向かった。








ガチャ


「あっ!伊織、彩月どうだった‥え‥えぇ!?さ‥咲和先輩どうしたんですか!柊人先輩も‥。」


部室に戻ると大和先輩はまだいた。


大和先輩は私よりも咲和先輩と柊人先輩がいることに驚いているようだった。



「校門でうなだれてる伊織を見つけてここに連れてきたの。なんか、深ーい事情がありそうだしね‥。」



そう言って咲和先輩は私を椅子に座らしてくれた。


「伊織。彩月とあの後、何かあったのか?」


大和先輩が心配そうに聞く。



「彩月に‥嫌われてしまったかも‥しれません。」



「えっ!?」


驚きの声を1つあげた大和先輩。


「ええっ!!?伊織と彩月、あんなに仲良いのにこんなことてあるの!?」


「咲和。喧嘩するほど仲が良いてことわざがある。」


驚く咲和先輩と冷静に言う柊人先輩。



「今までの中で、一番大きな喧嘩かもしれません‥。しばらくは、顔も見たくないて‥。」



私はとても落ち込んでいた。



私は‥知らず知らずのうちに彩月のことを傷つけていた‥。


大事な‥大事な友達なのに‥。



「大和先輩、すみませんでした。私が調子に乗って文学の話をたくさんしたばかりにこんなことになってしまって‥。」


「いや、あやまらくていい。俺も彩月のことあまり気にかけなかったな‥今思うと。」


すると咲和先輩が口を開いた。


「そう言えば、今日の部活は何をやってたの?」


「今日は文学について話してたんだ。それがさ、意外に伊織と話があって2人だけで盛り上がっちゃって‥。」


「それで?彩月をおいてけぼりにして2人だけでもりあがったと‥。」



咲和先輩は だけ と言う言葉を強く言った。


いつもより怖い‥