そう大和先輩が言うと、みんなが自分のコップを持ち始めた。

それを見てから大和先輩は音頭をとった。

「新入生が入ってくれたことにかんぱーい!」

「かんぱーい!!!」

みんながそれぞれ乾杯をした。




‥でそこからご飯を食べながらの談笑が始まった。

普段、部室ではあまり話さないことも話した。

「えっ!大和先輩は高校の時、空手部だったんですか?」

またしても驚いてしまう。

「そう、空手。中学は柔道だったけどねー。」

「でも、なんで大学は文芸部なんですか?空手はうちの大学にもあるのに‥。」

彩月も興味があるらしく聞いていた。

「大学はさ、ゆっくりしたいなーと思って。中・高は忙しかったし、大学はバイトと両立してできる部活がいいなと思ったんだ。」

すると咲和先輩が口をはさんだ。

「でもさ、元々なかったところからこの文芸部を作ったんだよ。これってすごくない?普通は元々ある部活に入るのに。‥まぁ、それで私はたくさん助けられたけどね‥。」

またまた、気になる言葉が出てきた。

「この部活‥大和先輩が1から作ったんですか?」

彩月が聞いた。

「う‥うん。まぁ‥。この大学、文学部はあるのに‥文芸部がないのは少し寂しいかなと思って作った。そのおかげで、すごくいい仲間に出会えたよ!」

大和先輩は笑いながら言った。

「そうだったんですね!大和先輩!文芸部作ってくれてありがとうございます!!」

私は大和先輩に丁寧に頭を下げた。

そうすると大和先輩は照れた。

なんか‥可愛い‥。

「ところで咲和先輩は部活、何してたんですか?」

私は咲和先輩に聞いて見ることにした。

「私は中学は家庭科部、高校は帰宅部かな。‥柊人はどうなの?」

咲和先輩はよく柊人先輩に話しかけることが多い。

お酒を楽しんでいた柊人先輩は飲むのをやめて言った。

「俺は‥中学・高校とバスケしてた。‥高2の時にやめたけど‥。」


「柊人先輩はバスケをやってたんですね。すごく意外です。」

平静を装いつつも私の胸のうちはキュンキュンしていた。


私はしばらくご飯を食べたり、話していたりしていたが急に視界が、ぼんやりし始めて体が重たくなってきた。

この様子に隣にいた咲和先輩が気づいた。

「伊織。大丈夫?すごく、ぐらぐらしてるけど‥。‥て、もしかして私のお酒、間違って飲んじゃった!?ああ!!減ってる!!部長!伊織がお酒を飲んでしまいました!」

咲和先輩が珍しく慌ててる声が聞こえてきた。

「嘘だろ!?‥ああ‥こういうときはどうしたら‥そうだ‥寝かせよう!」

どこか、遠くで大和先輩の声も聞こえた気がした。