桜たちの声が屋上から聞こえてきた時、友香は教室の中にいた。


Aチームのメンバーたちと、一昨日授業を受けた教室でなんとなく時間を過ごす。


ここにいても戸川先生は来てくれない。


そう理解しているのに、ここから動くことができなかった。


「次の投票はどうする?」


不意に真子にそう聞かれて、友香が体をビクッと跳ねさせた。


恐る恐る振り返って真子の顔を見ると、真子は青い顔をして視線を逸らせた。


できればこんな会話はしたくないけれど、今の内にしておかなければならないと思ったのだろう。


「そう……だよね……」


友香はのろのろと立ち上がり、真子の隣の席に座った。


今教室には心太朗のいるBチーム。


そしてみゆのいるDチーム。


FチームとKチームがいた。


他のチームは桜たちと一緒に校内で使えそうなものを探している。


「ねぇ、あたしたち、チームを組まない?」


真子の言葉を待っていたかのように、みゆが立ち上がってそう言った。