桜は食事を終えるとすぐに校内を調べ始めていた。


一緒に行動するのは同じEチームの由奈と真緒だ。


2人とも桜と同じように真面目で、自分から秩序を壊すような事をする生徒ではなかった。


「どこから探す?」


由奈にそう言われて桜は「まずは保健室かな」と、答えた。


思わぬ怪我や病気にかかった時に、少しでも役立つものがあればいいなと思っていたのだ。


もちろん、保険医の先生の持ち物が一番役に立つけれど……その荷物を探すためには4体の死体があるあの部屋にいかなければならない。


それは桜にとっても抵抗のあることだった。


保健室は一階生徒玄関のすぐ隣に位置していた。


ドアの前で一旦立ち止まり、いつものようにノックしてしまい、桜は自分の行動に思わず笑ってしまった。


習慣って怖いものだ。


こんな状況でもちゃんとノックをしてから入ろうとしてしまうんだから。


ドアに手をかけると、立てつけが悪くなってガタガタと音を立てた。