教室内に朝日が差し込み始めた時、友香がうっすらを目を開けた。


もう朝か。


心の中でそう呟く。


みんなの規則正しい呼吸音だけが聞こえて来る教室内。


今日、この中の誰かが死ぬのかもしれない。


今聞こえてきている呼吸が止まってしまうかもしれない。


そんな事を考えて、友香は大きく首を左右に振った。


その前に、そうなってしまう前にどうにか助けが来てくれないだろうか。


のそりと体を起こし、窓へと近づく。


昨日グラウンドに残したSOSのメッセージがそのまま残されている。


窓を開けると冷たい空気が肌にあたり、寝不足の頭がシャキッとしてくるのを感じる。


空を見上げると今日もとても天気がいいということが分かった。


雲1つない。


「友香、眠れた?」


その声に振り返ると美夏が立っていた。


いつの間にか女子生徒の半分くらいが起き上がっている。