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1時間くらい会議室の前で待ってみても、誰かが出て来る気配はなかった。


耳をすませていても何も聞こえて来ない。


みんな疲れが出て来たのか、廊下に座り込んだり壁にもたれかかったりしている。


今日はもう出て来ないのかもしれない。


友香が諦めかけた時だった。


Jチームの真人が窓の前に立った。


「どうしたの?」


友香がそう聞くよりも早く、真人は足を振り上げて窓を蹴っていたのだ。


ガンッ!と大きな音が廊下に響き渡る。


「な、なにを……」


友香は唖然として真人を見た。


真人は真剣な表情で何度も何度も窓を蹴る。


「おい、おかしいだろ」


それを見ていたJチームのユウキがが怪訝そうな表情でそう言った。


おかしいってなにが?


そう聞こうとした所、再び窓が蹴られた。


「なんだよこの窓。防弾ガラスか?」


心太朗が眉を寄せて窓に触れた。


見たことを普通の窓に見えるけれど、これほど蹴って割れないというのはおかしいことのようだ。