範囲指定ゲーム

☆☆☆

目を閉じても一向に眠りは訪れなかった。


それはみゆだけではなく、他のクラスメートたちも同じだった。


明日の1時にはまた範囲指定ゲームが始まる。


そう思うと寝付くことなんてできるハズがなかった。


友香は暗闇の中目を開けた。


あちこちからすすり泣きの声が聞こえて来る。


このまま朝を迎えても、また昨日と同じ事が起きるだけだ。


「ねぇ、みんな」


友香は布団から上半身を起こして誰ともなく声をかけた。


「なに?」


隣に横になっていた美夏がすぐに返事をしてくれた。


他のみんなも、返事はないけれどちゃんと聞いてくれているのがわかった。


「あの男を拘束しない?」


友香の言葉に驚いた声が聞こえて来る。


「そんな事したら、殺されるかもしれないよ?」


美夏がすぐにそう言って来た。


「わかってる。だけど、偶然男が校内にいるのを見つけて、みんなで取り囲んだら?」


「そんな事、できるの?」


その声は杏珠のものだった。


杏珠は教室の隅でみゆと2人並んで横になっているはずだ。