範囲指定ゲーム

チームになるなら、男子と組んだ方がよかったかもしれない。


自分を守るために一生懸命になってくれるのは、女子より男子だ。


そう思ったが、もう遅い。


チームは決まってしまったんだから。


みゆは小さく生きを吐き出して杏珠の手を握り返した。


「ありがとう、杏珠」


ニコッとほほ笑んでそう言うと、杏珠がほんのりと頬を染めた。


杏珠が自分のぶりっ子を覚めた目で見ていることは知っていた。


そしてその理由は、男子に媚びているみゆを見ているのが嫌だからだということも、みゆは知っていた。


「みゆにはあたしがついているからね」


杏珠も結局は男子と同じだ。


笑顔を向ければすぐについてくる。


同性ということで少し違和感はあるけれど、みゆからすれば都合のいい人間の1人でしかなかった。


「ありがとう杏珠」


みゆは心にもない事を呟き、布団に横になったのだった。