範囲指定ゲーム

今朝と変わらず2人に死体がロープからぶら下がっていて、汚物の匂いが鼻を刺激する。


俺と孝彦はそれぞれの死体の前に立ち、手をのばした。


先生の体を持ち上げて首からロープを外すのだ。


先生たちの体は死後硬直しており、触れるとヒヤリと冷たかった。


なんだ、どうして俺はこんなことをしているんだ?


死体なんて触れたくない。


足元は糞尿で汚いし、こんな部屋にいたくない。


そう思うのに、体は言う事を聞かなかった。


視界がぼやける中、戸川先生の死体がドサリと床に落ちるのを見た。


俺の手が椅子に手を伸ばす。


きっと、戸川先生が首を吊る時に使った椅子なのだろう。


乱暴に部屋に転がっていた。


隣を見ると孝彦も先生の体をロープから外し、椅子を準備している所だった。


ダメだ。


やめてくれ。


男の声を思い出していた。


『できるんだよ。できるようにしたんだよ』


やだ。


死にたくない。


死にたくない。


死にたくない。


死にたくない!!