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そこまで考えると、額に汗が流れて行った。


暑くもないのに、妙な汗は止まらない。


隣にいる孝彦を見るとなにかブツブツと呟いている。


顔は真っ直ぐ前方を向いているのに、目はうつろで何も見ていない様子だ。


「おい、大丈夫か?」


孝彦の肩に手を置いた瞬間、グラリとしためまいを感じた。


貧血などではない、体の内側から押し寄せるようなめまいだ。


呼吸が乱れ、視界がぼやける。


周囲に助けを求めたいのに、体が思うように動かなかった。


それはまるで誰かに操られているような感覚だった。


気が付けば俺と孝彦は2人で体育館を出ていた。


「2人とも、どこに行くの?」


クラス委員の桜が心配そうな言葉をかけてくるのに、それに返事をすることもできずにフラフラと歩く。


なにも考える事ができなくなるほどのめまいを感じているのに、その場に倒れる事もできず、俺たち2人は先生の部屋へと入っていた。