その瞬間光汰は弾かれたように走り出していた。


「俺に触るな!!」


そう叫びながら山へと入って行く。


「山の中は危ないよ!!」


友香はたらまずそう叫んだ。


3人が落ちた沼のような場所が他にもあるかもしれない。


山の中は危険すぎる!


他の生徒たちも止めに入ろうとした瞬間、光汰の後頭部に赤い光が見えた。


友香はハッとして振り返る。


しかし、そこにはなにもない。


「ダメ、やめて!!」


必死になって誰かが叫ぶが、光汰にその声は届かなかった。


森の奥へと入って行く光汰の姿が木々に隠れた時、バンッ!と大きな爆発音が聞こえてきて、それ以降、光汰の足音はどこからも聞こえて来ることはなかったのだった……。