ソウタの顔がサッと青ざめる。


「で、でも……」


「もしかしてお前、こいつらのグルじゃねぇのか?」


一真が思いついたようにそう言った。


ソウタは目を見開いて一真を見上げる。


「そんなわけ……っ!」


否定しようとしたソウタの顔面に一真の拳がめり込んだ。


周囲から甲高い悲鳴があがる。


ソウタは鼻血を吹いて横倒しに倒れた。


「いつもいつもいい人ぶって調子に乗りやがって!!」


輝が今までのうっぷんを晴らすようにソウタの腹部を踏みつけた。


「ぐぇっ」


と、小さく声を上げその場に嘔吐するソウタ。


「美夏、行こう」


その様子を見ていた友香が美夏の手を握りしめてそう言った。


「え、行くって?」


「ソウタの言う通り、助けを呼ぶんだよ」


このままじゃ仲間同士を傷つけあう事になってしまう。


友香たちに今できる事は助けを呼ぶ努力をすることくらいだった。


「わかった、行こう」


美夏は頷き、2人はグラウンドへと向かったのだった。