こんな時でもクラスメートたちの事を考えてくれているソウタは、やっぱり信用も人気もあるはずだった。


「みんな、グラウンドへ出て助けを呼ぼう」


ソウタの提案にうつむいていたクラスメートたちは顔を上げた。


みんな一様に驚いた表情をしている。


「助けなんて呼べないだろ。知美の頭が爆発したのを見てなかったのかよ」


一真がそう言うが、ソウタは笑顔を崩さなかった。


「外へ出ようとしなければ大丈夫じゃないかと思うんだ。校舎の周りは森に囲まれていて、枝が沢山ある。それを使ってグラウンドに大きなSOSを書くんだ」


「飛行機に助けを求めるってこと?」


桜がそう言った。


ソウタは大きく頷く。


「そうだ。逃げ道がないなら、上空に知らせればいい」


「それ、いいかも」


桜と同じチームの真緒も賛同した。


「だろ? どっちにしても俺たちが家に帰らない事を心配して、親たちは警察に通報すると思う。だけど、その前にやれることはやっておこう」


「俺たちは殺されることが確定しているのにか?」


一真が低い声でそう言った。


「こいつらだけ助かって、俺たちは死ぬ。それでもいいのかお前」


輝がソウタの前に立ってそう言った。