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しかし、男は一切動揺を見せていなかった。


「お前、殺すぞ!!」


一真がそう言って拳を振り上げたその瞬間、一真の体に赤い光がうつっているのが見えた。


グランドで見た、あの光と同じだ。


友香は咄嗟に振り返った。


その空間にはなにもない。


あの光は一体どこから来ているんだろう?


あの光も男が作り上げた殺人兵器なのか。


「一真、やめろ」


止めに入ったのは輝だった。


振り向いた一真は自分に赤い光が当たっていることに気が付き、目を見開いた。


「何もないんだね? じゃぁ俺行くから」


男はそう言うと、体育館を出て行ってしまったのだった。