範囲指定ゲーム

☆☆☆

10分間、誰もパソコンの前を離れようとはしなかった。


時々マウスを移動させる音がクリックする音が聞こえて来るから、みんなそれぞれに投票しているのだということは理解できた。


誰が誰に投票しているのか、音を聞くたびに心臓がドクンッと大きく跳ねた。


一瞬、投票を破棄したらどうなるのだとうかと考えたが、それもきっと死ぬ事を意味するだろうと思っていた。


あの男はこの空間を完全に支配しているのだ。


たった10分という永遠のように長い時間が過ぎた時、パソコンの電源がブツッと切れた。


男がそのように設定していたのか、遠隔操作でもされているのかもしれない。


「はい10分経過。みんなパソコンから離れろー」


男にそう言われ友香たちは席を立って元にいた場所に戻った。


みんな、目を合わせようとしなかった。


今は誰もが敵だ。


1チームでも自分のチームに投票していれば、それで死ぬ。


こんなに簡単に人の命が消えるなんて、一体誰が考えていただろうか。


「はい、じゃぁ注目」