この場で無言でいることが苦痛になったのか、桜に付き合って食堂まで行くようだ。


数人の生徒たちがゾロゾロと体育館を出て行くと、再び重苦しい空気が友香たちを包み込んだ。


美夏はちゃんと着替えはしたけれど、それ以降何も話そうとはしなかった。


精神的におかしくなってしまったんじゃないかと、友香は心配している。


「なにも考えなくてもいいのかな……」


真子が友香の耳元で小さくそう言った。


「え?」


友香は驚いて真子を見る。


「だってほら、ゲームは必ず参加しなきゃいけないじゃん? 相談は自由にできるんだし、何か計画とか立てた方が……」


そう言いながら、真子はどんどん声が小さくなって言った。


自分で言いながら、どのチームを殺すのかと考えている自分に嫌悪したのかもしれない。


「真子、気が付いてない?」


友香にそう言われて、真子は「え?」と、首を傾げた。


友香はそっと指をさす。


その先にいるのはCチームだった。


Cチームには佐々井ソウタ、隅田一馬、岡崎輝の3人がいる。


ソウタはクラスのまとめ役的な存在で、桜の手伝いもよくしていた。


が、他の2人はどちらかと言えばクラスを脅かす存在だった。