範囲指定ゲーム

「以上、11チームなー」


男はすべてにチーム番号を付け終えて、大きく息を吐き出した。


Kチームは男女混合になっているが、それ以外は綺麗に別れていた。


「で、これからこのチームでやってもらう『範囲してーゲーム』」のルールを説明する」


男はよっこらせと声を出して立ち上がら、スピーカーを手に取った。


「1度しか言わないから、しっかり聞いてろよー?」


スピーカーに乗って割れた声がグラウンドに響き渡る。


「まず、お前ら『範囲指定』って知ってるよな? パソコンとか、スマホとかでできるやつ。文章をコピーしたり、消去できるやつ」


それはもちろんみんな理解しているようで、誰からも質問は飛ばなかった。


しかし男はすでに説明するのが面倒くさいようで、立っていたのにまた座り込んでしまった。


「『範囲指定ゲーム』は、コピペを使ったゲームだ。左枠にチーム番号。右枠に殺害方法が書いてあるから、殺したいチーム名を殺したい方法の場所へコピペする。それだけだ、簡単だろ?」


男はなんてことない様子で説明をする。


「ちょっと、待ってくれよ」


さすがにここでは反論があるようで、佐々井ソウタが手を上げた。


ソウタはCチームの生徒だ。