知美が死んだ……?


友香は目をグラウンドに倒れている友香の死体を見て目を見開いていた。


演出じゃないって、どういう事?


だとしたら、これは夢?


友香は右手で自分の頬をつねりあげた。


痛みが駆け抜けて涙目になる。


「やだ……やだ……」


手を繋いでいた美夏が小刻みに震えてそうつぶやく。


見るとジャージの股間部分が濡れていて、足元には水たまりが広がっていた。


失禁したのだ。


うそ、これ、現実?


グラウンドを見回すといつものクラスメートたちの姿がある。


みんなその場に座り込んでいたり、立ち尽くしていたりしているが、その顔はいずれも青かった。


「よかったな。33人になったから3人ずつのチームでいいや」


男がそう言うと、美夏が友香の手を更にきつく握りしめた。


失禁して気持ちが悪いだろうに、今はそんな事も気がつかないようだ。